マヌルネコの大きさは?体長・体重をイエネコと比較
マヌルネコの大きさは、体の長さも体重もイエネコとほぼ同じです。それでも大きく見えるのは、長くて密な毛と短い足のせいです。
あらすじ
この記事では、次の10項目を順に説明します。
- マヌルネコの大きさを数字で見る
- マヌルネコの大きさをイエネコと比較すると
- マヌルネコはオスとメスで大きさが違う?
- マヌルネコの体重は季節で変わる
- マヌルネコの尾と耳の大きさ
- マヌルネコは小さな体で広い範囲を歩く
ほか4項目は下の目次から。
目次
マヌルネコの大きさを数字で見る
マヌルネコの大きさは、資料によって少しずつ違います。ここでは研究者の資料と動物園の解説の値をならべました。
| 資料 | 頭胴長(頭からおしりまで) | 尾の長さ | 体重 |
|---|---|---|---|
| IUCN ネコ科専門家グループ(種の解説) | 46〜65cm | 21〜31cm | 2〜5kg |
| 現状と保全戦略(2019年、野外調査の平均) | メス49cm、オス55cm | 25cm | 平均4kg、最大5.3kg |
| 名古屋市(東山動植物園) | 50〜65cm | 21〜31cm | 2.5〜5.0kg |
| スミソニアン国立動物園 | 約51〜61cm | 約20〜25cm | 約1.8〜5kg |
ポイントはここです。頭からおしりまでが50cm前後、体重は4kg前後。数字だけ見ると、ごくふつうのイエネコと同じです。
マヌルネコの大きさをイエネコと比較すると
マヌルネコの大きさをイエネコと比べると、大きさではなく「形」が違うことが分かります。研究者の資料は、マヌルネコを「イエネコほどの大きさだが、足が短く、毛が厚い」と表現しています。
| 項目 | マヌルネコ | イエネコ |
|---|---|---|
| 体の長さ | 46〜65cm | ほぼ同じ |
| 体重 | 2〜5kg(平均4kg) | ほぼ同じ |
| 足 | 短い。爪も短い | 長い |
| 毛 | 長く、とても密。おなか側は背中の2倍の長さ | 短い(品種による) |
| 頭 | 幅が広く、平たい | 丸い |
| 耳 | 横の低い位置 | 頭の上 |
| 瞳孔(目の中の黒い部分) | 丸い | 縦に細い |
| 尾 | 太く、黒い輪の模様。先が黒い | 細い |
つまり、マヌルネコはイエネコより「大きい」のではなく、「丸くて低い」のです。なぜそう見えるのかはマヌルネコはなぜ丸い?で説明しています。
マヌルネコはオスとメスで大きさが違う?
マヌルネコは、オスのほうがメスより少しだけ大きい程度です。野外調査では、頭胴長はメス49cm、オス55cm。体重はメスが平均4kg(最大5.0kg)、オスが平均4.1kg(最大5.3kg)でした。
差は100〜300gほどで、見た目で性別を見分けるのはむずかしいとされています。
マヌルネコの体重は季節で変わる
マヌルネコの体重は、1年の中で大きく変わります。獲物が多くてつかまえやすい夏の終わりには、5.3kgまで太ることがあります。
反対に、冬から早春の繁殖期には、オスはメスを追いかけることに夢中になって食事がおろそかになります。野外調査では、わずか14日で1,050g(体重の22%)やせたオスの記録があります。メスも冬には獲物が少なくなるため、体重が落ちます。
マヌルネコの尾と耳の大きさ
マヌルネコの尾は、長さ21〜31cm。体の長さのおよそ半分です。太くて長い毛におおわれ、黒い輪の模様が入り、先は黒くなっています。寒い日はこの尾を体に巻きつけたり、尾の上に座って足を冷たい地面から守ったりします。くわしくはマヌルネコのしっぽで紹介しています。
耳は小さくて丸く、頭の横の低い位置についています。頭は幅が広くて平たいので、正面から見ると顔がとても大きく見えます。名古屋市(東山動植物園)の解説によると、ほかのネコ科と歯の数や瞳孔の形が違うのもマヌルネコの特徴です。
マヌルネコは小さな体で広い範囲を歩く
マヌルネコの大きさに対して、1頭が使う範囲(行動圏)はとても広いことが分かっています。研究者の資料によると、同じくらいの大きさの動物と比べて、行動圏が広い種です。
| 調査地 | メスの行動圏(平均) | オスの行動圏(平均) |
|---|---|---|
| モンゴル | 23.1平方キロメートル | 98.8平方キロメートル |
| ロシア・ダウリア地方 | 10.0平方キロメートル | 27.4平方キロメートル |
体重4kgの動物が、モンゴルでは1辺10kmの正方形ほどの土地を歩き回っている計算です。岩場がどのくらい点在しているかで広さが決まります。隠れる場所が遠く離れていれば、それだけ歩く必要があるからです。生息地の様子はマヌルネコの生息地で紹介しています。
マヌルネコの大きさと獲物の大きさ
マヌルネコの大きさは、食べものの大きさとつり合っています。研究者の資料によると、獲物の重さはふつう50〜300gです。体重4kgのマヌルネコにとって、1回の食事は体重の1〜8%ほどにあたります。
いちばんの好物はナキウサギです。ナキウサギはほかの小さな獲物より2〜4倍重いので、1回の狩りで多くの栄養がとれます。生息地全体で見ると、食べものの半分以上をナキウサギが占めています。WWFの記事では、1日に5匹のネズミを食べることもあると紹介されています。食べものの話はマヌルネコの食べものにまとめました。
マヌルネコの赤ちゃんの大きさ
マヌルネコの赤ちゃんは、スミソニアン国立動物園の解説によると、生まれたとき体長およそ13cm(5インチ)です。目は閉じていて、3週間ほどで開きます。
妊娠期間は66〜75日。飼育下では平均3〜4頭が生まれます。生後4〜5か月で独り立ちし、メスは早ければ生後10か月で繁殖できるようになります。成長の様子はマヌルネコの赤ちゃんで紹介しています。
マヌルネコが実際より大きく見える理由
マヌルネコの大きさを動物園で見ると、数字より大きく感じる人が多いはずです。理由は3つあります。
- 毛が長く密で、冬はさらに厚くなる。おなか側の毛は背中の2倍の長さで、足のつけ根を隠す
- 足が短く、体が地面に近い。横に広がって見える
- 頭が平たく、耳が低い。体の輪郭がなめらかな丸になる
つまり、マヌルネコの「大きさ」は半分が毛です。春に毛がぬけかわると、ひと回り小さく見えます。
動物園での見え方は、展示場の広さや季節で変わります。2026年10月時点で国内9施設に22頭がいます(名古屋市の発表、2025年末時点)。会える場所は日本でマヌルネコに会える動物園にまとめました。