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マヌルネコとは?分類・分布・体の特徴・暮らし方のすべて

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マヌルネコとは、モンゴルや中国などの寒い高地にすむ、イエネコほどの大きさの野生のネコです。長い毛と短い足で丸く見え、「ふてぶてしい顔」で人気があります。

あらすじ

この記事では、次の8項目を順に説明します。

  1. マヌルネコとは「1属1種」の小さな野生のネコ
  2. マヌルネコの名前の意味
  3. マヌルネコの体の特徴
  4. マヌルネコの暮らし方
  5. マヌルネコの子育て
  6. マヌルネコは絶滅危惧種?

ほか2項目は下の目次から。

ふわふわの毛に包まれたマヌルネコ
ふわふわの毛に包まれたマヌルネコ写真: Henry Söderlund / CC BY 2.0
目次
  1. マヌルネコとは「1属1種」の小さな野生のネコ
  2. マヌルネコの名前の意味
  3. マヌルネコの体の特徴
  4. マヌルネコの暮らし方
  5. マヌルネコの子育て
  6. マヌルネコは絶滅危惧種?
  7. マヌルネコに日本で会うには
  8. 出典

マヌルネコとは「1属1種」の小さな野生のネコ

マヌルネコとは、食肉目ネコ科マヌルネコ属(Otocolobus)に分類される動物です。マヌルネコ属にいるのはマヌルネコ1種だけです。

学名は Otocolobus manul。1776年に、ドイツ生まれの博物学者ペーター・ジモン・パラスが記載(きさい=新しい種として学術的に発表すること)しました。もとになった個体は、ロシアのバイカル湖の南で出会ったものです。はじめは Felis manul(イエネコと同じ属)という名前でしたが、体のつくりと遺伝子の研究から、今は独立した属に分けられています。

項目マヌルネコ
学名Otocolobus manul
分類食肉目 ネコ科 マヌルネコ属
頭胴長(頭からおしりまで)46〜65cm
尾の長さ21〜31cm
体重2〜5kg(平均およそ4kg)
すみか中央アジアの高地の草原・岩場
記録された標高440〜5,593m
絶滅危惧のランク(IUCN、2020年)軽度懸念(LC)

ポイントはここです。マヌルネコは、ベンガルヤマネコの系統に入ります。研究者の推定では、およそ590万年前にベンガルヤマネコの仲間と分かれた、独自の道を歩んできたネコです。

マヌルネコの名前の意味

マヌルネコの「マヌル」はモンゴル語に由来します。日本の動物園(埼玉県こども動物自然公園、神戸どうぶつ王国)の解説では「モンゴル語で小さいヤマネコ」という意味だと紹介されています。

英語では Pallas's cat(パラスのネコ)と呼びます。記載したパラスの名前をとったものです。属の名前 Otocolobus の由来や、ほかの国での呼び方は、マヌルネコの名前の由来で紹介しています。

マヌルネコの体の特徴

マヌルネコの体は、ひと目で分かる特徴がいくつもあります。

  • 足が短く、毛が長くて厚いので、体がずんぐり丸く見える
  • 頭が平たく、耳が頭の上ではなく横の低い位置についている
  • 瞳孔(どうこう=目の中の黒い部分)が丸い。小型のネコ科の多くは縦に細い
  • ひたいに黒い点、目から頬にかけて黒と白の縞がある
  • 尾は太く、黒い輪の模様があって、先が黒い
こちらをにらむようなマヌルネコの顔
こちらをにらむようなマヌルネコの顔写真: Eric Kilby from Somerville, MA, USA / CC BY-SA 2.0

毛の色は季節で変わります。冬は長くて密で、白っぽい霜のような色になります。春に毛がぬけかわり、夏は短くて濃い色になります。岩場にうずくまると小さな石のように見え、見つけるのがとても難しい動物です。

丸く見える理由はマヌルネコはなぜ丸い?、大きさの数字はマヌルネコの大きさ、瞳孔の話はマヌルネコの目でくわしく紹介しています。

マヌルネコの暮らし方

マヌルネコは単独で暮らします。活動するのは主に明け方と夕方です。昼間は岩のすきまや、マーモットなどが掘った巣穴の中で休みます。

食べものの中心はナキウサギ(ピカ=高地にすむ小さなウサギの仲間)です。生息地全体で見ると、食べものの半分以上をナキウサギが占めます。ほかにスナネズミ、ハタネズミ、ハムスター、ジリスなどの小さな動物、ときには小鳥や若いマーモットも食べます。

狩りの方法は3つに分けられます。

  1. しのび寄る:岩のかげをゆっくり進み、近づいてから飛びかかる
  2. 追い出す:春と夏に、草むらを歩いてネズミや小鳥を追い出してつかまえる
  3. 待ちぶせる:冬に、ナキウサギの巣穴の出口でじっと待つ

くわしくはマヌルネコの食べものにまとめました。

マヌルネコの天敵は、ワシやタカなどの大型の猛禽類、オオカミ、そして人が連れている犬です。岩にまぎれる灰色の毛と、白いおなかは、空から見つかりにくくするための色です。じっとしていると小さな石に見えるので、研究者でも見つけるのに苦労します。

鳴き声も独特です。研究者の資料には、ガチョウの「ガーガー」という声に似た鳴き方をすると書かれています。イエネコのような「ニャー」はあまり出しません。声の話はマヌルネコの鳴き声で紹介しています。

1頭が使う範囲(行動圏)は、体の大きさのわりに広いのも特徴です。モンゴルの調査では、メスが平均23平方キロメートル、オスが平均99平方キロメートルを使っていました。体重4kgの動物が、1辺10kmの正方形ほどの土地を歩き回っている計算です。

マヌルネコの子育て

マヌルネコの繁殖は年に1回です。出産は4〜5月に集中します。妊娠期間は66〜75日で、飼育下では平均3〜4頭、多いときは8頭まで生まれます。

子は生後4〜5か月で親元をはなれます。野生では、独り立ちする前に子のおよそ68%が死んでしまいます。赤ちゃんの成長はマヌルネコの赤ちゃんで紹介しています。

マヌルネコは絶滅危惧種?

マヌルネコは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、2020年の評価から「軽度懸念(LC)」になりました。それまでは「準絶滅危惧(NT)」でした。

ただし、成熟した個体(おとな)の数はおよそ58,000頭と推定され、数は減っているとされています。すみかが牧草地や農地になること、毛皮のための狩り、ネズミやナキウサギの毒による駆除が主な理由です。マヌルネコは絶滅危惧種?で、ランクが変わった理由をくわしく説明しています。

マヌルネコに日本で会うには

マヌルネコは日本の動物園でも飼育されています。名古屋市の発表によると、2025年末の時点で国内9施設に22頭(オス12頭、メス10頭)がいます。

どの動物園で会えるかは日本でマヌルネコに会える動物園に、それぞれの名前は日本のマヌルネコの名前にまとめました。展示の状況は変わるので、出かける前に各園の公式サイトで確認してください。

マヌルネコはペットとして飼えません。ワシントン条約(CITES)の附属書IIに載っていて、国際的な取引が規制されています。くわしくはマヌルネコは飼える?をごらんください。

出典

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