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マヌルネコの瞳孔はなぜ丸い?ほかの小型ネコ科との違いと目のひみつ

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マヌルネコの瞳孔(どうこう=目の中の黒い部分)は丸い形をしています。小型のネコ科の多くは縦に細くなるので、めずらしい特徴です。

あらすじ

この記事では、次の6項目を順に説明します。

  1. マヌルネコの瞳孔は丸いまま小さくなる
  2. マヌルネコの瞳孔はなぜ丸い?研究で分かっていること
  3. マヌルネコの目は顔の高い位置にある
  4. マヌルネコの視力は?分かっていないこと
  5. マヌルネコの瞳孔を動物園で見るコツ
  6. 出典
マヌルネコの顔のアップ(スイス・チューリッヒ動物園)
マヌルネコの顔のアップ(スイス・チューリッヒ動物園)写真: Albinfo / CC BY-SA 3.0
目次
  1. マヌルネコの瞳孔は丸いまま小さくなる
  2. マヌルネコの瞳孔はなぜ丸い?研究で分かっていること
  3. マヌルネコの目は顔の高い位置にある
  4. マヌルネコの視力は?分かっていないこと
  5. マヌルネコの瞳孔を動物園で見るコツ
  6. 出典

マヌルネコの瞳孔は丸いまま小さくなる

マヌルネコの瞳孔は、明るいところでも丸いままです。イエネコは明るいところで瞳孔が縦に細くなりますが、マヌルネコは丸い形をたもったまま、小さくなったり大きくなったりします。

アメリカのコロンバス動物園は、マヌルネコの瞳孔を「多くのネコ科に見られる縦の細長い形ではなく、小さな円に縮む」と説明しています。イギリスのエディンバラ動物園は「ほかの小型のネコ科はすべて細長い瞳孔なのに、マヌルネコは丸い」と書き、それが「不機嫌そうな顔」に見える理由のひとつだとしています。

日本でも、名古屋市(東山動植物園)の発表資料に「他のネコ科動物とは歯の数や瞳孔の形が異なる」と書かれています。

こちらをにらむようなマヌルネコの顔
こちらをにらむようなマヌルネコの顔写真: Eric Kilby from Somerville, MA, USA / CC BY-SA 2.0

ポイントはここです。マヌルネコの顔が「にらんでいる」ように見えるのは、瞳孔が丸いからでもあります。縦に細い瞳孔がないので、人の目に近い印象になります。マヌルネコが丸く見える理由とあわせて、この顔つきがマヌルネコの人気のもとです。

ネコの仲間明るいところでの瞳孔の形
イエネコ縦に細長い
多くの小型のネコ科縦に細長い
マヌルネコ丸いまま小さくなる
ライオン・トラなど大型のネコ科丸い

マヌルネコの瞳孔はなぜ丸い?研究で分かっていること

マヌルネコの瞳孔がなぜ丸いのか、はっきりした答えはまだありません。ただ、瞳孔の形と暮らし方の関係を調べた研究はあります。

2015年にアメリカのカリフォルニア大学バークレー校などの研究者が、陸にすむ214種の動物の瞳孔の形を調べました。結果はこうです。

  • 縦に細長い瞳孔は、夜や昼夜の両方に活動する待ち伏せ型の捕食者に多い
  • 縦長の瞳孔を持つ待ち伏せ型の捕食者のうち82%は、肩の高さが42cm未満の小さな動物だった
  • 丸い瞳孔は、昼に活動し、獲物を追いかける動物に多い

研究者の説明では、縦長の瞳孔は、地面に近い目で獲物までの距離をはかるのに役立ちます。縦のふちをくっきり、横のふちをぼかして見ることで、距離が分かりやすくなるからです。研究者はインタビューで、イエネコは縦長の瞳孔だが、トラやライオンのような大きなネコはそうではない、とも話しています。

ここで気になるのがマヌルネコです。マヌルネコは体が小さく、狩りは待ち伏せが中心です。この研究の考え方なら、縦長の瞳孔になりそうなのに、実際は丸い。つまりマヌルネコは、この研究の全体の傾向から外れた例です。

なお、この2015年の論文にはマヌルネコは出てきません。マヌルネコの瞳孔が丸い理由を直接調べた研究は、探した範囲では見つかりませんでした。「開けた草原で距離をはかるのに向いている」といった説明を見かけますが、研究で確かめられたものではないので、このサイトでは理由を言い切らないことにします。

マヌルネコの目は顔の高い位置にある

マヌルネコの目は、イエネコより顔の高い位置にあります。スミソニアン国立動物園は、これが雪の中で狩りをするときに見やすいように役立つのかもしれない、と説明しています。

名古屋市の資料では、マヌルネコの顔は「額が高く、丸い耳が低く離れた位置にある」と書かれています。目が高く、耳が低い。この組み合わせが、岩の上から頭を少しだけ出して獲物を探す姿に向いています。

木箱の中に隠れるマヌルネコ(野毛山動物園)
木箱の中に隠れるマヌルネコ(野毛山動物園)写真: KQuhen / CC BY-SA 4.0

もうひとつ、目を守る仕組みもあります。コロンバス動物園によると、マヌルネコには瞬膜(しゅんまく=目の内側から出てくる半透明のまぶた)があり、寒さやほこりから目を守っています。マヌルネコのすむ中央アジアの高地は、冬に氷点下50度まで下がります。目を守る仕組みは、マヌルネコの生息地で暮らすのに欠かせません。

マヌルネコの視力は?分かっていないこと

マヌルネコの視力を測った研究は、探した範囲では見つかりませんでした。「目がいい」「耳がいい」という話はよく聞きますが、数字で確かめられたものではありません。

動物園の現場では、こんな観察があります。埼玉県こども動物自然公園の飼育員のブログには、飼育員が展示場に着く前に、マヌルネコが先に気づいて屋内に引っ込んでしまうことが書かれています。音や動きにとても敏感なのは確かなようです。

マヌルネコは警戒心が強く、見られていると感じると岩のかげに隠れます。動物園でじっくり目を見たいときは、静かに、少し離れて待つのがおすすめです。

マヌルネコの瞳孔を動物園で見るコツ

マヌルネコの瞳孔を実際に見るなら、明るい屋外の展示場がいちばんです。明るいところでは瞳孔が小さく縮むので、丸い形がはっきり分かります。暗い室内では瞳孔が大きく開き、イエネコとの違いが分かりにくくなります。

見るときは、こちらを向いた瞬間がチャンスです。マヌルネコは岩のかげから顔だけを出して、じっとこちらを見ることがあります。そのとき、黒い点のような小さな丸い瞳孔と、その周りの明るい色の虹彩(こうさい=瞳孔のまわりの色のついた部分)がよく見えます。写真を撮るなら、望遠レンズで少し離れて撮ると、警戒させずにすみます。

同じ「丸い瞳孔」でも、ライオンやトラの丸い瞳孔とは印象が違います。体が小さく、顔が平らで、耳が低い位置にあるので、人の顔に近い配置になるからです。マヌルネコとはどんな動物かで、顔つきの特徴をまとめて紹介しています。

日本でマヌルネコに会える場所は、日本でマヌルネコに会える動物園にまとめました。個体ごとの名前は日本のマヌルネコの名前でどうぞ。

出典

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